猫人間と性産業

 書物から書物へと日本の歴史を辿るうちに、ある絵巻物の世界に入りこんでしまった。墨で描かれた猫が何百匹といる。何もないところから声が響き「猫の耳の位置と形に真実を聞き取り幸福をもたらす性質があるということがわかり、人々は猫の耳をつける様になった。人の猫化の始まりである」と言った。

 人々は猫の子を産むためにがんばった。その過程で男性器はなぜか巨大化し、性産業がオープンで狂ったものになった。このような歴史が上書きされた。私は絵巻物の中でそれらを体験した。狂った性産業に巻き込まれて酷い目にもあった。歴史の変更により、物語が進むとやがて私は猫人間になった。高いところに簡単に登れたが、降りるのはまた別であった。
[2011年9月28日の夢]

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子供の頃、猫とコミュニケーションが取りたいと考えていた。人間のもとで育って人間と会話ができるように、猫にしっかりと向き合えばそれが可能だと思い、飼い猫に絡み続けた。また、自分は猫と思い込んで振舞うことも忘れなかった。でも結局猫の考えていることはよくわからなかった。なので夢の中とはいえ、半分猫になる体験ができたのは少し嬉しいことだった。