なにが怖いかパネル

薄暗い部屋のベッドに横になり、壁のパネル相手に喋っていた。パネルに浮かぶ文字に声で返すのだ。パネルが聞く。「普通のことが怖いですか、普通と違う事が怖いですか」。普通の基準がわからないと答えると「あなたは知らないものを怖れる」と表示され、続いて「記憶を詳細に辿って二日遡りなさい」と出た。その通りにしてみると気持ちが軽くなるのを感じた。さらに「普段からその状態を保つように」と画面に出た。意味がわかんないなと思った。

2011119日の夢]


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   文字には安心感がある。こんなにいいものを生み出した人類を尊敬するし、私自身が使えていることに感謝している。

   また同時に、文章が物事を全く完全な形で伝えられるとも思っていない。そうじゃないから文字以外の手段も存在するわけだし。

   例えば話し言葉は文字より先にあったし、動物や昆虫も鳴き声や飛び方で仲間に危険を伝える。細胞も情報を伝達するし、情報のやり取り自体は別に人間の特権ではない。そもそも生物が遺伝情報の蓄積なのだから。

   だから私は、もし蜂に生まれていたら、別に人間の文字をすごいとは思わないし、羨ましがらない。