幽霊VSビッグブラック

    友人と山中の人里を車で走っていた。信号待ちをしていると、真横に真っ暗な家が見えた。「火事で一家全員が焼け死んだ家だよ」と運転する友人が教えてくれた。

    ちょうどその時、人がどこからともなく現れ、真っ暗な家に入っていった。入り口を通る時に、そこにない扉を開けるような動作をしていた。幽霊だ、そう思いぞっとした。友人も見ていたようだが、「人が住んでいるんだね」などとのんきな事を言っていた。

    ふと交差点を見るとうずくまる丸焦げの少年がいることに気づいた。友人はまだ気づいていない。後の車が猛スピードで発進し、信号を無視して追い越していった。私も早くここを通り過ぎたい。そう思った瞬間、丸焦げの少年に気づいたらしい友人が、「うわー」と叫んで車から降り、走り出してしまった。

    私も降りて追いかけようとしたが、丸焦げの少年が立ち上がり歩き始めたので、とりあえず車に戻ろうと振り返った。しかしさっきまで乗っていた車はビニールシートがかけられており、めくるとめちゃくちゃに壊れている。少年は笑っている。友人の元へ走ると車の幽霊がでたらめに走り回りながらこっちに来る。私たちはすぐそばのマンションに逃げ込んだ。

    エレベーターに慌てて乗り込み、適当な階数を押したが、それが4階であることに気づいて3階を押した。なんとなく4という数字が死を連想させて怖かったからだ。ふと振り返るとランドセルを背負った一人の男の子がいた。3階に着いたのでまた振り返ると、ランドセルの子供は3人になっていた。並んで降りていくランドセルたちを待って、私たちも出た。誰も何も喋らなかった。

    エレベーターの外は部屋のようになっていて、伯母がいた。伯母に経緯を話すと、それは本当によくない、大黒様を呼ぶしかないと言った。しばらくして光り輝く巨大な伯父が現れた。

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    伯母は、伯父は大黒様になったのだと説明した。伯父の光で霊たちはおとなしくなったらしい。私はすぐに日本を離れた方がいいと言われ、船とジェットコースターを乗り継いでヨーロッパに逃げた。向こうでは雪が積もっており、私は買出しに出かけたスーパーでパスタの種類に悩んでいた。

[2011年11月15日の夢]


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幽霊を見たことはないし、霊魂の存在を信じているわけではないけれど、子供の頃からどうしてもお化けが怖くて仕方なかった。

本を読んでいると突然出てくる妖怪やお化けの話。クラスメイトの女子が大好きな都市伝説や幽霊目撃談。落とし穴はそこら中に潜んでいて、落ちるとしばらくは帰ってこられなかった。一人で歩く道、一人で寝る寝室が無限の可能性を秘めた恐怖スポットに思えた。

大きくなったら真っ暗な夜道も平気にならなければないのか。そう考え本当に憂鬱だったが、未だに真っ暗でなくても人気のない夜道は恐怖なのだった。