2019-01-01から1年間の記事一覧

カッター拭くから大丈夫

知らない子供二人をタクシーに乗せる。運転手に紹介状を渡し「これでよろしく」そう言ってその場を離れた。紹介状の内容も、子供の行き先も知らない。 適当に入ったバーのカウンターでサンドイッチをオーダーし、カッターナイフで半分に切った。隣に座ってい…

人間卒業式

人間卒業式に出席することになったため、慌てて家中の白いものを身につけて準備していた。 [2011年11月12日の夢] ーーーーーーーーーーーー 私は去年、上海から台北に引っ越して来た。だいたいのことには慣れたけど、今でも「なんだこれ」と思っていること…

電車製の街

電車で来ることができる最も遠い場所、と言われている「果ての地」にやってきた。ここでしばらく暮らそうと考えての事だったが、私はこの土地についてほとんど何も知らなかった。私だけでなく、ここに来るすべての人がそうだった。そもそもの情報量からして…

尊大な魚

私は中学生で、友達のロッカーの使い方にブチ切れていた。「何そのしまい方」「別にいいじゃん」と互いに怒鳴りあった。しばらくして怒りが冷め、気まずいなと思っていると友達が画用紙を持ってこちらを見ている。画用紙には「温かいからあげ」と書いてあっ…

幽霊VSビッグブラック

友人と山中の人里を車で走っていた。信号待ちをしていると、真横に真っ暗な家が見えた。「火事で一家全員が焼け死んだ家だよ」と運転する友人が教えてくれた。 ちょうどその時、人がどこからともなく現れ、真っ暗な家に入っていった。入り口を通る時に、そこ…

ある施設からの脱出(2)

(1の続き) 友人が本当に工作をしたか、したとしてそれがどういったものかはわからないが、翌朝、施設の人間が現れ私を出してくれた。指定されたバスに一人で乗り込む。座席に座る私の目の前には、小柄な女が一人立っていた。彼女はこちらをじっと見つめた…

ある施設からの脱出(1)

「まもなくここに洪水が起きる」と友人が言った。ダムと川に挟まれたこの町に水の逃げ場はなく、たくさんの人が死ぬだろうと訴えるのだ。私たちは計3人で逃げることにした。 一人が浮き輪を用意してくれたので、借りる。それを身につけた途端水が胸元まで押…

仏教がいかに反社会的でやばくてかっこいいか

日本が荒廃した。文化は弾圧され、本の売買が禁止された。中でも仏教は特に禁忌とされたが、高齢者を中心に密かに楽しまれていた。 本の闇市場に行くと、ヤクザが仏教関係の本を売りさばいていた。私はどうしても「おんころころせんだり狂気の謎」が読みたか…

来た道を逆に進むと戻ることができるのはなぜか

私はいつものように電車に乗って、四角い畳の部屋にやって来た。座布団がたくさん敷かれた部屋には、パジャマを着た男女が大勢座ってがやがやしている。窓からは中へ入れない人が数人覗き込んでいた。私たちはストレッチをして、来た道を逆に進むと戻ること…

無性生殖した話

頭の中で組み立てた遺伝情報を体内から卵子に送る方法で妊娠してしまった。無性生殖ではあるが、遺伝情報を新しく組み立てているのでクローンにはならない。 この世界では時たまそういうことが起きるが、あまり喜ばしいこととはされていなかった。思考を自…

なにが怖いかパネル

薄暗い部屋のベッドに横になり、壁のパネル相手に喋っていた。パネルに浮かぶ文字に声で返すのだ。パネルが聞く。「普通のことが怖いですか、普通と違う事が怖いですか」。普通の基準がわからないと答えると「あなたは知らないものを怖れる」と表示され、続…

アヒルなんかどうでもいいや

「今年の11月は2週目に118日と110日があって、ということは今日は節分だね」。我々は二手に分かれて豆をぶつけ合った。こちらは3人なのに向こうは20人くらいいたため、ぶつけられる量がすごかった。 その後通りを歩いていると、白いヒゲの男がアヒルを3匹引…

やはり海は嫌いだ(2)

(1の続き)外に出て、バスに乗る。そこはタイの南部だった。洪水の様子はなかった。(※当時タイでは現実に大規模な洪水があった)バンコクに行くか迷いながらバスに揺られる。窓からは、ガネーシャ、仏陀、キリストといった具合に様々な「神」を祀る祭壇が…