お節介おじさんと神の丘

インターネットをしていたら、画面に知らない人の顔が映り「断片の集積に何が見えるんだ」と言った
[2010年10月17日の夢]

てっぺんに張りぼての城があるほかは端も裏もない斜面だけの「神の丘」をかけ上がってコロコロする
[2010年11月4日の夢]

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今日の上海は雨だったので一日部屋で過ごした。洗濯をしたり、部屋の片付けをした。
私はいわゆるシェアハウスというところに住んでいて、友達でも何でもない人とキッチンやトイレを共有している。寝室は四つあるが、住人はもう半年くらい私とマッチョ広東人青年の二人だけだ。
私がここにやってきた一年半前、マッチョはまだマッチョではなかった。メガネの青白い若者で、ひょろりとした体型をしていた。しばらくしてジムに通いだし、みるみるうちにマッチョになった。共用スペースにも、素肌にジャージをひっかけただけといった格好で現れる。詳しくは知らないが、結構な頻度でジム通いをしているんだろう。
広東人らしくスープが好きで、毎日しいたけの出汁をとっている。弱火で長時間茹でるので、キッチンは常に私の嫌いなしいたけの香りが漂っている。洗っただけのトマトを「今日はこれだけ」といって部屋に戻っていくこともある。たまに高級な輸入肉を塊で買って焼く。上海では今出前アプリがさかんで、ローカル店の中華でもアプリで簡単に出前注文することができる。職場でも私の住んでいる小区(住宅区)でも、配達の人が出入りしているのを見かけない日はない。最近は出前専門の店も増えているという。でもマッチョが外卖(出前)してるところを私は見たことがない。
上海にはたくさんの外地人が住んでいて、色んな暮らし方をしている。マッチョは広東省から一人で上海に出てきて、私のような日本人と暮らすことになるとは思ってもみなかっただろう。色んな人生があると思う。